2014年12月21日日曜日

ドイツ世界遺産とビールの旅(5)ケルン大聖堂南塔

平成26年9月4日(木)ケルン

らせん階段をひたすら上り続けていると、階段の横に、扉のない入口が見えてくる。
中に入ると、そこには大きな鐘がいくつも並んでいた。
中からは分からないが、おそらく南塔(下の写真右側の塔)の上から二つめの窓あたりまで来たのだろう。

こちらが中央にある一番大きな鐘。下の開口部の直径はゆうに3mはある。


あとでネットで調べてみたらここには全部で8つの大きな鐘があるという。
目の前でこの鐘がすべて鳴ったらものすごい迫力だろうな、とか考えつつ鐘のある部屋を一周して、さらに階段を上って行った。



ようやく展望室にまでたどり着くと、そこはちょっとしたスペースになっていて、絵はがきやお土産などを売っている小さな売店まであった。
売店では、敗戦直後のケルン大聖堂周辺の様子を写真にとった絵はがきがあったので、それを買い、店番の中年の男性に話しかけた。



「第二次世界大戦では日本の多くの都市も空襲に遭ったので、ドイツの都市が空襲でどれだけの被害を受けたのか関心があります。大聖堂の周辺も大きな被害を受けたのですね」
「ケルンも何回も空襲を受けたのですが、大聖堂だけはほとんど被害を受けずに残りました。奇跡的なことです」
「ところで、塔の途中にあった鐘はいつ鳴らすのですか」
「「クリスマスやイースターなど、特別なときに鳴らしますが、今年は新しい枢機卿が来られたばかりなので、それを祝福して9月17日と18日にも鐘をならします」
9月8日には日本に帰ってしまうので、聞けないのが残念。


売店のあるスペースの周囲は回廊のようになっていて、一周するとケルンの街の360度パノラマを楽しむことができる。


高いところに上ると、カメラのミニチュアライズ機能を使いたくなる。
あまりミニチュアっぽくならないが、これも自己満足。
とにかく眺めがいい。

こちらはライン川沿いの景色。


こちらは南の方を臨んだところ。


塔を降りてきたら10時すぎ。7時、8時、9時と毎時行われる礼拝も10時のあとは12時なので、10時の礼拝が終わる11時ころ大聖堂の中に入るのがいいだろう。
ということで、先に大聖堂の横にある宝物館に入ることにした。


宝物館は地下2階まであって宝石のちりばめられた十字架や黄金の聖棺をはじめ展示品が充実しているので、じっくり見ていたらあっという間に11時になってしまった(館内の写真撮影はできない)。
(次回に続く)

2014年12月15日月曜日

ベルリンの壁崩壊から25年(続き)

前回に続いてベルリンの壁崩壊25周年に関連して、ZDF(ドイツ第二放送)の11月9日付けのビデオを2つ紹介します。

1つめは前回のブログで紹介した「光の国境」のセレモニーの様子です。

http://www.heute.de/merkel-gedenkt-der-maueropfer-bei-der-zentralen-gedenkfeier-an-der-bernauer-strasse-35809210.html

ウンター・デン・リンデンの画像の下に左からVideoが3つ、一番右にScroll-Grafik(前回のブログで紹介したものです)と並んでいるうちの一番左の"Mauerfall:Große Show in Berlin"は2分34秒の短い映像ですが、風船のまわりに大勢の人が集まり、セレモニーが盛り上がっている様子がよくわかります。
日本では年末の風物詩になっているベートーベンの第九も、ドイツでは統一のテーマソングです。ここでは地元のベルリンフィルが演奏しています。また、ドイツ統一に重要な役割を演じたゴルバチョフ元・ソ連書記長もセレモニーに招待されていて、久しぶりに元気な姿を見ることができます。

左から2番目の"Lichtgrenze:Die besten Momennte"も2分強の映像で、かつての壁に沿って並んでいる光の風船が次から次へと空に放たれていく感動的なシーンを見ることができます。

2つめはベルリンの壁が崩壊した1989年11月9日の様子をドキュメンタリータッチで描いたもので、ブランデンブルク門の画像の一番左下の"Video Der Mauerfall live"がそれです。

http://www.heute.de/liveblog-25-jahre-mauerfall-am-9-november-1989-35786660.html


これは40分以上の長い映像ですが、2:00あたりから当時政治局員で政府報道官だったシャボウスキーの例の記者会見が始まります。
記者とのやり取りは前回のブログで紹介しましたが、「いつ施行されるのか」との記者の質問にシャボウスキーが「すぐに」と答えたやりとりのあと、別の記者が「これからベルリンの壁はどうなるのか」と質問したシーンは初めて見ました。
シャボウスキーは「ベルリンの壁はどうなるのか」と言って少し視線を上に向け「そうえいばどうなるのかな」いう表情を浮かべたあと、「こちら側から通れるようになったということで、東ドイツの防備を固めることには違いない」と苦しい回答をしています。(何に対する防備なのか?東ドイツに好きこのんで入ってくる人はいないのに)
記者会見会場から出ようとするシャボウスキーの背中に向かって一人の記者が質問を投げかけました。
「これから逃亡する人たちのものすごい波が西に押し寄せるのでは」
シャボウスキーは振り返らずに答えました。
「そうでないことを願う」

この1年後、東ドイツは西ドイツに併合されて地球上から姿を消しました。
こうして東の人たちはわざわざ壁を越えて西に行く必要がなくなり、シャボウスキーの望みも現実のものとなったのです。